今の事務所は、私が子供の頃通っていた東小学校の前にあります。

下の写真は、私が小学校に入学した頃に新築された建物です。

この夏くらいから耐震補強工事が始まり、ようやく工事が完了したようです。1階、2階にV字型の筋かいが取り付けられましたね・・・

この建物は、昭和40年代後半の建物で、新耐震設計(昭和56年)になる前ですから、地震に対して非常に脆弱な構造であったと云えます。

教室を明るくするために、南全面をガラス張りにしており、南面には、地震の揺れに対して、抵抗する堅固な耐力壁がありませんでした。

そのため、工事前の状態では、東西の揺れに対して抵抗することが出来ないので、阪神大震災級の地震であれば、確実に倒壊していたと思われます。
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既存校舎の耐震補強の場合は、このように構造部を外に出して、補強することになりますが、建物の構造部は、通常、壁の中で見えなくなる箇所となります。

この見えなくなる箇所が非常に重要であり、注意して施工する必要があります。

先日の金物検査では、耐力壁となる面材の釘の不具合が多数有り、是正をお願いすることになりました。各所で下地から外れて釘が打たれています。
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耐力面材は、釘のせん断力と引抜き力で地震に抵抗しますので、このような釘の打ち損じがあっていけません。

釘が正しく打たれた耐力壁とそうで無い耐力壁の違いは、地震が起きた時にしか出ませんが、その違いが人命に影響することにもなりかねませんので、釘の打ち方一つとておろそかにしてはいけません