準耐火構造や省令準耐火構造の住宅は、一般の木造住宅に比べて、耐火性能が高く、読んで字のごとく、火に耐える構造と云う事です。すなわち、外部からの延焼を防ぐ防火構造に留まらず、建物の室内が火に耐える燃えにくい構造にしなければいけません。

そのためには、細かい決まり事がありますが、それが守られて施工されている建物が非常に少ないです。

何故、こような間違った施工が横行するのか?その理由は、以下の通りです。

① 施工会社の知識及び認識不足。

② 法律や基準があっても、書類審査が基本で、石膏ボードの張り方、ファイアーストップ、スイッチコンセント等の施工を細部にわたり、行政及び住宅支援機構が現場検査する事がない。

準耐火構造や省令耐火構造の施工がなされているか否かは、火災が発生しない限り、その違いは発揮されませんので、火災がなければ、問題が露呈しないままになっています。

直近の2棟の完成検査に伺った建物は、共に、省令準耐火構造で契約がなされていますが、省令準耐火構造になっていない建物と、省令準耐火構造では認められない施工になっている建物でした。

前者の検査を終えて、検査報告書に省令準耐火構造になっていない箇所及びその内容を記載した処、その施工会社が施工主に、「これはうちの会社独自の省令準耐火構造です。」と云ってきたとの事です。あきれてものが言えない話です。

省令準耐火構造で契約している建物が、住宅支援機構の基準に合致した省令準耐火構造ではなく、独自の省令準耐火構造であるとは、言い訳にもならず、理解の限度を超えています。省令準耐火構造であるとして施工会社が書類を作れば、火災保険料も割引なりますが、実際に火災が起きると、省令準耐火構造ではない訳ですから、大きな問題になります。

後者の会社に対して、省令準耐火構造では認められない施工になっているので、是正が必要である旨を伝えると、その現場担当者が、お客さんが不安に思うような事ばかり言って、難癖ばかり付けている。と云ってきました。基準に沿った施工が出来ていない自らの施工ミス、施工間違いを棚に上げて、本末転倒の何ともレベルが低い話です。

概ねこのような施工会社は、住宅検査が入ったばっかりに、直さなくて良いものを、是正させられ、損をさせられたと考えている処が多いです。

ひとたび火災になり、その施工に問題があった事が分かったならば、誰が責任を取る事になるのか、よくよく考えて頂きたい処です。是正しておくことが、自らのためである事を理解出来ない施工会社が多いです。