施工会社を慎重に選ぶのと同様、検査会社も慎重に比較検討して選ぶ事が重要です。
∥全国対応の検査会社には注意
全国対応を売りに、広範囲に検査業務を行なっている検査会社の多くは、検査を専業とする一級建築士の正社員が検査をするのではなく、各地域で、設計や施工で独立開業している一級建築士を、アルバイトの外注検査員として検査を行なっています。
日々の本業が設計で、たまに検査のアルバイトを行う程度であれば、検査経験に乏しい可能性が高いと云えます。我々、日々住宅検査を本業としてる検査員でも、技量の違いが観られます。検査技量の不確かなアルバイト検査員は、避けるべきです。
また、アルバイトの外注検査員においては、本業の設計で、地元の工務店から仕事をもらっている事もあるでしょう。そうなると、第三者検査とは云えず、厳しい検査が出来るはずもありません。現地に来る検査員は、施工会社と関係のない、第三者として存在すべきであり、施工や設計、監理を兼業すべきではありません。
∥建築訴訟にも対応出来る検査員が安心
一般の方が、検査員のレベルを知る方法の一つとして、建築訴訟経験の有無を確認なさると良いです。検査員には、欠陥住宅等の裁判経験が必要と云う事ではありませんが、訴訟経験が豊富であれば、それだけ検査にも精通しているであろうと推測出来ます。
間違ってはいけないのは、現地に検査に来る検査員が、どのような人か?であって、訴訟の際は、また別の専門の建築士が対応します。と云う事であれば、全く意味がありません。
訴訟実績の積み重ねは、瑕疵(かし:本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないこと。)や基準の知識を広め、深めることに役立ちます。私も自身で関わった裁判や、他の判例が非常に有益な知識となっています。
知識がないと、現場で瑕疵があっても、それを瑕疵だと判断することができません。
料金など他に比べるポイントはいくつかありますが、検査員の内容を重視し選んでみて下さい。
我々「士業」は、所詮個人の能力に委ねらるものであり、組織の大きさに左右されるものではありません。同じ一級建築士でも、検査員のレベルは、個々に違います。その点を十分ご理解下さい。
∥施工間違いが判断出来ない検査員
以前、全国対応の検査会社に新築住宅検査を依頼された方が、途中でその検査を断り、改めて、当事務所に検査依頼をしてこられた事があります。
この方は、新築する上で、自らも問題のある施工例などの勉強をなされ、検査に立ち会われたそうです。その際、明らかに是正すべき間違った箇所が、多数あるにも関わらず、是正事項として指摘しない検査員の質の低さに落胆した、との事でした。
どのような検査員が来るのか?それが問題です。当事務所では、必ず、代表者の佐野が検査に伺います。(検査内容により、同事務所の検査員が同行します。)
上述のお客様から以下のような感想を頂きましたのでご紹介します。