新築で購入後、はじめてリフォームを行う方から、リフォーム工事中に検査のご依頼を頂きました。リフォーム工事の内容とリフォーム工事以外の建物の状態を検査対象としましたが、リフォーム工事も問題があり、更に新築当初からの問題も多々見つかりました。 今回リフォーム業者により、点検口を造ってもらったと言う事で、内部を撮影したのが下の写真です。

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 建築の素人の方が見ても、えっ?!と、思われるのでないでしょうか?柱の上部が切り取られ、半分の幅になっています・・・。この柱は、3本の梁を受け、垂直荷重が集中する柱であり、筋かいが取り付いていますから、耐力壁である事も分かります。今まで大地震に遭遇していない事が、不幸中の幸いと云えると思います。

また、柱の右側は、断熱材が不適切に詰め込まれた状態ですが、柱の左側は、断熱材が入っていません。大工の余りの無知と手抜き工事に驚くばかりです。大工になるためには、資格や試験はありません。自分は大工ですと云えば、大工な訳です。 

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小屋束と梁及び母屋は、かすがい金物で固定しますが、そのように固定されている箇所は、1箇所もありません。また、けた行方向に小屋組みが倒れないために取付ける、けた行筋かいは、1箇所もない状態です。右の写真は、梁の歪を止めるための火打梁ですが、金物を取付ける穴だけが、プレカットにより空けられていますが、金物が入っていません。無知なのか、故意の手抜きなのか、どちらにしても、工事を請け負う技量が無い者が工事を行った結果と云えます。

建築主は、建築会社を選ぶ事は出来ても、大工までを選ぶ事は出来ません。

本日、工事途中から検査に伺った大手ハウスメーカーの現場では、建築主が、腕の良い大工さんをまわして下さい。と頼んだにも関わらず、余りにも酷い工事である事から、当方が検査することになりました。現在は、別の大工さんに担当してもらっているようですが、大手ハウスメーカーでもこのような事があります。