同日に2物件の配筋検査を行いましたが、共通して同じ是正がありました。

捨コンを打設しない場合は、鉄筋の自重でスペーサーごと鉄筋が沈んでしまい、コンクリート底面から鉄筋までの距離(かぶり厚)が不足する場合があるので、注意が必要です。その沈み込みを回避するために、受け皿(トレイ)の上にスペーサーを入れると良いですが、そこまでの事をする施工会社は少ないのが現状です。

コンクリート底版のかぶり厚は、6cm以上必要です。コンクリートは、徐々にアルカリ成分が薄れ中性化していきます。鉄筋は、アルカリ性のコンクリートの中では、錆びることはありませんが、中性化したコンクリートになると、錆が進行します。そのため、かぶり厚は、鉄筋が長期に渡り健全な状態を保つためにも、大変重要で、この不足は、基礎の耐久性に影響します。

1件目の配筋検査 かぶり厚測定

左:かぶり厚 2.5mm程度   右:かぶり厚 3.5mm程度 スペーサーごと沈んでいる。共に60mm以上のかぶり厚が無い状態である。

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2件目 配筋検査 かぶり厚測定

左:かぶり厚 30mm程度   右:かぶり厚 50mm程度 スペーサーごと沈んでいる。共に60mm以上のかぶり厚が無い状態である。

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因みに、1物件は、瑕疵担保保険の検査員も配筋検査に来ておられてましたが、指摘事項無しで、現場滞在時間5分程度で、帰っていかれました。瑕疵担保保険の検査員の方でも、しっかり、時間をかけて検査して行かれる方もいらっしゃいますが、失礼ながら、先日の検査員の方では、検査した事になっていないと思います。