現在、当事務所が関わっている裁判物件で、主要構造部に多数建築基準法違反がある新築建物があります。

裁判中なので、具体的な内容は記載出来ませんが、多数の構造部に、大工が勝手な変更を加え、安全性に大きく欠ける明らかな建築基準法違反の建築物です。
但し、行政の完了検査はを受け、検査済証が発行されています。

一般の方の感覚では、建築基準法に違反している建物であるのに、何故完了検査にパスするのか?と不思議に思われることでしょう。

その理由は、建築確認申請及びその検査では、建築基準法の一部分を対象にしているだけだからです。

行政側としては、一軒の建物ごとに深く関わる事は出来ないため、残りの部分は、国家資格者である設計者に任せていると云う事です。

特に、中間検査が省略されているような、2階建木造住宅(4号建物)の場合は、構造部に多数の違反や問題点があっても、建物の延床面積や高さ、階数等に違反がなければ、完了検査にはパスする事になります。