昨今、屋根断熱の建物が増えていると感じます。それに伴って、小屋裏で結露している建物の検査依頼が増えています。
何故、屋根断熱で結露が起きるのか?
それは、気密性と通気性の欠如です。
屋根断熱にした場合、断熱材の気密性を上げる事が先ず必要になります。屋根断熱の場合は、小屋裏に、室内の暖かい空気が流れ込みます。断熱材表面の気密性が低ければ低いほど、暖気が断熱材を通過して、野地板と断熱材の間に入って行きます。野地板が、外気で冷やされていると、野地板裏で結露水を発生さす事に繋がります。
但し、いくら気密性を上げても、100%の気密性を保持する事は困難であるため、通気層を介して、屋外に暖気を放出する必要があります。このためには、空気の入口と出口が明確に機能する通気層が必要になります。小屋裏で結露している建物では、空気の出口がない袋小路になっている場合が多いです。これは、空気層であって、通気層ではないので、暖気が抜けていく事がありませんから、当然結露します。
小屋裏で結露する最大の原因は、設計者や施工者の知識不足です。屋根断熱の正しい知識を持たずに建物を造ると、結露に直結します。
野地板が水分を含み色濃く変色しています。
野地板にカビが発生しています。
野地板にカビの胞子が観られます。