鉄筋コンクリートは、引張力に強い鉄筋と、圧縮力に強いコンクリートが一体となって、引張りと圧縮共に強い、堅固な構造になります。鉄筋とコンクリートが絡み合って、一体となることを阻害する施工をしたのでは、堅固な構造にならないと云う事です。その例を以下に示します。
下の写真は、大手ハウスメーカーの現場で、基礎の立上り部の鉄筋の施工が完了した状態です。
これから、これに型枠を入れて、その中にコンクリートを流し込みます。但し、このままでは、堅固な構造になりませんので、是正が必要です。
赤丸内がその是正すべき箇所です。鉄筋が上下に沢山並んでいますが、その隙間が少な過ぎる訳です。これでは、鉄筋の壁が出来上がり、鉄筋と鉄筋の間に、隙間が無いため、コンクリートがスムーズに流れていかず、強度を弱めてしまいます。
また、このような箇所は、ひび割れも起きやすくなります。
コンクリートとは、セメント、砂、砕石、水を練り合わせたものです。
鉄筋と鉄筋の間には、この砕石が十分通過出来るだけの空き寸法が必要となります。
鉄筋間の空き寸法は、以下の①~③の値の内最も大きい方の値とすることが決められています。
① 異径鉄筋径×1.5倍
② 粗骨材の最大寸法径×1.25倍
③ 25mm
鉄筋径13mm、粗骨材の寸法を20mm、とした場合
13mm×1.5倍 =19.5mm
20mm×1.25倍=25.0mm
となり25mm以上の空が必要となります。
コンクリートを流してしまうと、分からない箇所のため、配筋検査でチェックすることが何より必要です。