近畿を台風20号が通過しましたが、雨漏れ検査の問い合わせも多く、雨漏れでお悩みの建物が非常に多いと感じます。

何故、雨漏れが起きるのでしょうか?もちろん、どこかに不良個所があるからですが、その問題箇所が、一カ所で無く複数個所存在するから雨漏れになるのです。

建物は、雨漏れを起こさないために、複数の防波堤を設け、一つ目の防波堤が決壊しても、次の防波堤が雨漏れを防ぐ構造になっていなくてはいけません。

外壁部からの雨漏れの場合、シーリング目地が1次防水として機能しますが、これに隙間が生じていると、壁裏に雨水が浸入する可能性が高まります。但し、壁裏に雨水が入ったとしても、2次防水として、防水シートや防水テープが正しく機能していれば、室内に漏れ出て来る事無く、通気層を介して雨水は屋外へ流れて行きます。

雨漏れは、1次防水も2次防水も機能しない状態であるために起きるという事です。要するに、シーリングに隙間を生じている建物が、室内に雨漏れを起こすと言う事は、2次防水が機能しておらず、そこにも不良施工があると考えられます。

雨水の浸入口となっている箇所に、シーリングを行うと、(雨水の入口にシーリングで蓋をする状態)多くの場合、雨漏れは一時的に止まりますが、これだけでは、雨漏れ補修として不十分です。

何故なら、外壁裏の2次防水は施工不良のままだからです。シーリングに隙間や亀裂が生じれば、必ずまた同様の雨漏れが発生します。

以前調査した建物では、新築当初から雨漏れがあり、1箇所を補修しても、別の箇所から雨漏れがあり、順次補修を行ったようですが、補修をして数年すると、また一番最初の箇所から雨漏れがあったとの事でした。これは、根本的な補修になっていない証です。

雨漏れが起きるのは、全ての防波堤が決壊している状態ですから、全ての防波堤の修復を行わなければいけません。