梅雨の時期に入り、雨漏れ検査の依頼が増えています。当事務所に来る検査依頼は、その殆どが、施工会社さんからの依頼です。”自社で放水検査を行ったが、漏水が観られず、原因箇所が分らない。”とか、”放水検査後、漏水が確認出来たので、補修工事を行ったが、数ヶ月すると、また同じ箇所から雨漏れが発生し、原因が分からない。”等様々です。

先日伺ったお宅は、過去2回に渡り、外壁や屋根を部分撤去して、雨漏れの補修工事を行い、しばらくは問題が無かったものの、また同じ箇所で雨漏れが発生した、との事でした。このような建物は、施工会社さんがあれこれ手を尽くした結果、分らない訳ですから、我々とて、そうそう簡単に、雨漏れ原因を突き止める事が出来るものではありません。

木造住宅の場合、放水検査は、雨漏れの可能性がありそうな箇所を選定し、その複数箇所に対して、下部から順次約10分程度放水を行い、その結果を観察します。この現場においては、午前中から16時位まで、延々放水をし続けましたが、全く漏水が観られませんでした。このようなケースは、放水時間が短いために雨漏れが発生しない事が多いです。

中には、1時間以上同じ箇所に放水をして、ようやく雨漏れが発生すると行ったケースもあります。但し、今日は、既に夕刻となり、最初に戻って、一から放水時間を延ばして行うだけの時間がありません。

こうなると、長年の感を頼りに、最も怪しいと思われる箇所に的を絞って、長時間放水するしかありません。

そこで、雨漏れ博士の田所と私が、共に最初から怪しいと思った箇所に、放水を重点的に行いました。その箇所は、今までの雨漏れ原因とは、全く違う箇所でしたが、放水をし続けると、室内に漏水が確認されました。

二人共、ホッとした瞬間でした。 雨漏れは、水の浸入口が複数あり、出口が一つになっている場合があります。今回のケースが正にそれであったようです。これで雨漏れが治ったと思ったら、それ以外にも原因が存在していたと云う、非常に厄介なケースです。Baidu IME_2015-6-9_13-4-41