先日、週刊文春に取り上げられたハウスメーカーの事がyahooニュースに取り上げられてから、検査依頼が急に増えています。

当事務所では、今まで、殆どのハウスメーカーの検査を行っていますが、このハウスメーカーが他社と比較して、大きな違いがあるとは思いません。他社とて同じです。

ハウスメーカーも建築工事費が割高の会社と割安の会社がありますが、この決定的な違いは、現場管理に関する人件費の違いが大きいと云えます。

建築資材は、各社とも大量仕入れによりコストを下げます。更に、それ以上にコストを下げようとすると、人件費を削減する事になります。単純に、一人の社員に多くの現場を担当してもらうと、ひと現場の人件費は削減できます。

現場担当者の仕事は、工程管理と現場管理が主な仕事になりますが、担当現場数が多いと、工程管理に追われる事になります。決められた竣工時期に間に合わすために、人と物の手配に時間を取られて、現場管理が手薄になり、各業種の職人さん任せで、工事が進んで行く事になります。

各業種の職人さんは、自分が行った仕事に関して、細かくチェックし、指示を出す監督が不在な訳ですから、やり易いように工事を進めて行きます。そして、次の工程の職人さんに引き継がれながら建物が完成する。これが、問題を残す現場に共通しているように思います。目を光らし、厳しくチェックする人がいないと、それぞれの仕事がピリッと締まったものにならない。と云うのは、建築業界に限った事ではないと思います。

クレーム対応とそれに関わる費用は、会社にとって大きなマイナスです。このマイナスの出費を、現場のチェック体制を整える費用に充て、より良い建物造りを目指して頂く事が望まれる事ではないでしょうか。