現在、私が新築検査を行なっている複数の建物の内、2棟は、上棟後、金物取付けまで完了したが、問題があったため、全て解体して、改めて造り直している建物です。

私は、解体前の建物の検査はしてませんので、解体前の状態は知りませんが、2物件共に、別々の大手のハウスメーカーさんです。

既に、2棟共に、当方で、複数回の検査を完了していますが、両建物共、軽微な是正事項はあるものの、非常に良い施工で、順調に工事が進んでいます。現場監督が、本来やるべき事をきちんと理解し、それを実行すれば、良い建物が出来る。と云う事です。

しかし、監督不在の現場が多く、各職人さん任せで工事が進み、職人さんの仕事のチェックや社内検査が機能していないため、結果的に問題ある建物が出来上がる訳です。

私は、現場監督は、オーケストラの指揮者と同じだと思います。もし、オーケストラに指揮者がいなければ、各奏者は、好き勝手に楽器を奏でます。当然1曲の美しい曲になる訳がありません。

多くの現場を掛け持ちしている現場監督は、人や物の手配に追われてしまい、現場に来て、職人さんの仕事のチェックや検査をしている暇がない。と云う事も多いです。そうなると、各職人さんは、自分がやり易いように、工事を進めて行き、結果的に、あちこちで、つじつまの合わない問題が発生して行きます。

会社にとっては、沢山ある新築工事の一つであっても、建築主にとっては、唯一無二の新築工事であり、この先、長年住み続ける大切な財産です。どの施工会社さんも、この点を肝に命じて、仕事に関わって頂きたいと思う次第です。