季節柄、サッシ周辺の結露で、悩んでおられる方が多いのではないかと思います。

ひと昔前の日本の木造住宅は、和室が多く、化粧の柱や敷鴨居等木部が室内に表しになっており、壁には土壁を塗り、建具には、紙障子が取り付けてありました。これら木、土、紙の自然素材は、湿気を吸ったり吐いたりする調湿効果があります。更に、木製建具は、気密性も低いため、結露が起きる事は先ずなかった訳です。しかし、結露は起きないけれども、気密性や断熱性が低いため、室内は、非常に寒いという事になります。

しかし、現代の住宅は、室内に新建材やビニールクロスが多用され、調湿効果がありません。また、サッシは、気密性が高いため、強制的に換気や除湿をしない限り、断熱材で覆われた建物は、室内を締め切った状態では、結露が発生する構造になっていると云えます。

ペアーガラスや樹脂サッシとて、通常のシングルガラスのアルミサッシに比べると、結露がましになる程度で、全く結露しないと云うことはありません。ガラスサッシは、壁のように断熱材が入っている訳ではありませんので、外気温を遮断する性能がありません。部屋の暖かい空気が外気温で冷やされたガラスに接すると、水滴になるのが当然なのです。そのため、結露対策を意識して行わなければ、結露を減少させる事は出来ません。

結露対策は、除湿と換気、更には、室温を上げ過ぎない。という事に尽きますが、以下のような事にも注意下さい。

・ 24時間換気の使用
・ サッシに取り付いている給気口を開けた状態に保ち換気する
・ ファンヒーター等の燃焼系暖房器具は、水蒸気を発生させるので使用を控える
・ 物入内部は、すのこ等を使用して、収納物と床壁に隙間を設け、空気の流れが出来るようにする
・ 収納物は、詰め込みすぎないようにし、湿気を吸い易い物を重ねて収納せず、除湿剤を併用する
・ 室内で洗濯物を干すのは、多量の水蒸気を家中に放出する事になるので控える
・ なるべく湿度を60%程度に保つようにする

結露の発生は、複雑なものではなく、高湿度の暖かい空気が、冷えた箇所に接触する事で起こる現象ですから、その事を念頭において対策を講じて下さい。以前、エアコンで暖房を行い、部屋が乾燥すると云う事で、加湿器を使用して、一切換気を行わないお宅の方が、この家は、結露がひどくタンスの裏や部屋の隅々にカビも発生している。と言っておられた事がありました。
このような部屋の使用状況では、どんな家であっても、結露はひどく、カビだらけになります。