先日の午後、躯体検査に伺った建物
躯体検査(金物検査)では、行政検査の検査員、瑕疵保険の検査員が検査を行います。当方に検査依頼があれば、3者が同日にそれぞれの検査項目に応じて躯体検査を行う事になります。先日の躯体検査では、午前中行政検査、瑕疵保険検査が完了しており、私が伺ったのは、午後からでした。
3者が同日に行う検査ですが、検査内容が違います。行政検査、瑕疵保険検査では、耐力壁の構造用合板が張られていれば良く、その張り方、釘の打ち方まで、検査対象にはしていません。そのため、屋外の足場にのぼり、外部から釘の状態をチェックする検査員を見たことがありません。彼らがチェックしているのは、屋内で、図面通りの金物と筋かいが取付けられているか否かです。但し、金物の取付け方まで、細かくチェックしている検査員は少ないよう思います。また、ボルトナットの緩みも検査対象になっていません。
2者の検査が終わった後に、私が最後に検査しましたが、4項目で是正して頂く事項がありました。
他者の検査でも、当然チェックされるべき箇所が、見逃されているのを見つけたときは、”あぁ・・・検査に来させてもらって良かった。”とつくづく思います。私が検査していなければ、そのままの状態で完成した事になります。構造部の不備は、完成後では分からなくなる事が多いです。
検査チェックする者が、多いほど、また検査項目が多いほど、施工間違いの少ない建物になります。
以下の内容が今回の躯体検査の是正必要箇所です。
1、金物取付け忘れ 1箇所
行政検査及び瑕疵保険検査でも対象となる事項であるが、2者とも取付け忘れに気付かず、チェックもれしていた箇所
2、金物取付け不良 2箇所
行政検査、瑕疵保険検査では、足場にのぼり外部から金物をチェックすることはない。現状では、ビス取付け不良により金物の規定耐力がない。
行政検査、瑕疵保険検査では、ボルトナットの締め込みチェックはされない。ボルトナットの緩みは、地震の際躯体のひずみに影響する。
3、構造用合板取付け不良 1箇所 釘の縁空き寸法不足及び面材のひび割れあり。外力が加わると、釘の箇所でちぎれてしまうので、構造用面材の耐力が保持されない。
4、小屋裏けた行筋かい及び振れ止め取付け無し (施行令46条) 複数個所 現状では、小屋組の耐力が不足している。