今回、3階建の躯体検査は、私が最も早くに現場に着き、検査を開始しました。私が、ほぼ1階の検査を終えた頃に、瑕疵保険検査の検査員の方が来られましたが、その後、私がまだ、2階の検査を終えていない頃に、その方は、検査を終えて帰って行かれました。次に私が3階の検査を開始した頃に、行政の検査員が来られましたが、私が3階の検査を完了するまでに、この方も検査を終えて帰って行かれました。共に是正事項はなかったようです。

何故こんなに検査時間に違いがあるのか?それは、検査している項目内容の数の違いです。当方の検査は、現状で目視できる箇所は全て検査対象にしていますが、他の検査員の方は、マニュアルで決められた項目以外は、検査していないからです。決められたマニュアルに従って検査をしておられる訳ですから、それをどうこう云うべきものではありません。しかし、その検査項目だけでは、これから何十年と住まう建物の躯体検査としては、不十分だと私は思います。

今回私が是正をお伝えした内容は以下の通りですが、これら全ては、壁、天井が仕上がると、観ることは出来ませんから、是正の違いは、見た目には分からなくなります。

1、ホールダウン金物ナット締め忘れ、指でナットが廻る (ホールダウン金物とは、地震の際、柱が土台から抜けないように取付ける金物)

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2、耐力壁となる構造用合板の留付け釘が、母材を外れて打たれている個所について釘打ち是正(地震の際、揺れに抵抗するために取付ける耐力壁は、釘の間隔、本数により耐力が増減します。釘の打ち損じは、当然、耐力が減少している事になります。)

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3、梁相互をつなぐボルトナットの締め忘れ

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 是正前                            是正後

3、振れ止め未施工箇所に対して、赤矢印の振れ止めを追加取付け是正(振れ止めは、小屋束の足元を固め、けた行筋かいと共に小屋組みの横揺れを防ぐ)建築基準法施行令46条に小屋組みには、振れ止めを設けなければいけない。とある。

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