私が過去に記載したブログhttp://blog.livedoor.jp/aoyamaburogu/preview/edit/ae9204a49e654de16b1749a76d85cab3をご覧になった方から以下のような問合せを頂きました。

2014年1月31日の「建物外周部の地盤高さ」を拝見させていただきました。 私の家が外部の地盤より屋内の土間が低くなっておりますが,建築会社が言うには,建築基準法第19条の建築物の地盤面は高さ等の起点となる地盤面であり,屋内の土間のことではないとの回答でした。 建築基準法第19条の解釈で何か有効なものや屋内の土間が外周部の土地より高くすることを定めたものなどあれば教えていただけないでしょうか?

この建築基準法第19条の主旨は、建物が建つ地盤が周辺の道路等より低いと、敷地内に水が溜まる事になるため、衛生上の観点から、建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くしなければいけない。となっています。但し、それが満たされてば、建物本体下の地盤面が、建物周辺の地盤面より低くても良いと云う事ではありません。いくら道路より建物周辺の地盤が高くても、建物本体下の地盤面が、建物周辺の地盤よりも低い位置になると、建物本体下に雨水を呼び込む可能性が出てきますので、これは、法19条の主旨から外れる事になります。法19条には、ここまでの事は記載されていませんが、法19条の主旨に沿った至極当然の解釈になります。因みに、ご覧頂いたブログに掲載した以下の挿絵は、2級建築士受験のための教材の抜粋です。ここにもその事が記載されています。

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尚、建築基準法で、基礎高さは、30cm以上、フラット35や住宅性能評価では、40cm以上となっています。これは、建物外周部の地盤から基礎天端までの高さの事ですから、基礎のどこでも30cm又は40cm以上、基礎が地盤面から露出している必要があります。下の写真のように、周辺の地盤を高く上げてしまうと、露出する基礎高さが不足し、大雨で排水が悪くなると、たちまち基礎上部から雨水が建物下に浸入して来る事になります。ご質問者のお宅も、建物周辺の地盤を上げた事により、基礎高さが不足しているのではないでしょうか。

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駐車場の土間の水勾配を取るために、奥の方を高くして、コンクリートを施工する場合があります。その結果、奥の方では、地上に露出する基礎が低くなり、上の写真のようになっている間違った施工がよくあります。設計の段階からこのような建物周辺の高さの関係を考慮しておかなければいけません。